不動産業務には様々な資格が存在します。
宅地建物取引士や不動産鑑定士などはメジャーな部類ですが、その数ある不動産関連資格では取得するのが最も難しい資格と言われるのが「司法書士」資格です。今回は、その司法書士という資格について、祖空いて、その資格を取得するための試験についてもお話したいと思います。
司法書士とは
司法書士とは、一般的にはあまりイメージがわかない方も少なくないかもしれませんが、言わゆる法律家ということになります。法律の専門家ですから法律相談を承ってくれるし特殊な補助資格をもって裁判所などの訴訟代理人業務も制限付きでできます。
が、司法書士の最たる業務は不動産登記業務、や商業登記業務になろうかと思います。建物や土地等の不動産には登記という公示手段を用いることが法律によって定められていますし(不動産登記)、会社設立なども商業登記をする必要があります。
その際、この分野の専門家である司法書士が代行として手続に当たってくれるのです。
司法書士業務の一例
例えば、あなたが、100坪の甲土地の所有者だとします。この土地を、生前贈与として2人の子供に譲ろうと思います。この一筆の土地を2つに分割して贈与しようというのですから、法律的になかなか複雑になり、所有者も変わるのですから物権変動が生じます。
この物権変動を登記にして法務局に届けなければなりませんが、こういった業務は司法書士のある意味専売特許になるわけです。
司法書士になるには
この司法書士、国家資格ですので資格を取るには司法書士試験を受験して合格する必要があります。ということで、この司法書士試験についてお話します。
司法書士試験について
司法書士試験は、司法書士という資格を売るための選抜試験になります。実施は年1回、例年7月の第2日曜日に筆記試験が開催され、これに合格した者は10月の口述試験に進み最終合格は11月に合格発表があります。
合格率は例年4~5%台と。きわめて狭き門です。
かなりの難易度の試験
合格率5%前後ということでもわかる通り、かなり難易度が高い試験です。法律系だから文系資格と言えますが、文系最難関は司法試験や公認会計士、司法書士はその次ぐらいにランキングされるぐらいの難易度です。
参考:国家資格の難易度ランキング!簡単な資格は?合格率や勉強時間より
これは単純に法律資格だから難しいということもできますが、問題自体の難易度が高いということもできます。
足切り点が異常に高い
司法書士試験を難関試験足らしめるもの、実は他にも見出すことができます。司法書士試験は合格するために最低限取らなければならない点、いわゆる「足切り点」が異常に高いのです。
筆記試験を突破するにはこの足切り点以上獲得する必要があるのですが、平均して70点台、年度によっては80点ぐらいで足切り点が設定されたこともありました。
ただでさえ科目数の多い司法書士試験、どの科目もしっかり勉強しなければならないという過酷さも併せ持った試験です。
試験科目
司法書士試験は科目数が多い試験です。筆記試験は午前の部と午後の部に分かれ全11科目が出題されます。その内訳を見てみましょう。
- 民法
- 憲法
- 刑法
- 商法・会社法
- 不動産登記法
- 商業登記法
- 民事訴訟法
- 民事執行法
- 民事保全法
- 供託法
- 司法書士法
1~4までが午前の部、以下が午後の部で出題される科目です。全科目マークシート方式による短答式試験ですが、5と6は記述式問題と言って登記を作成する問題も出題されます。
民事系科目が殆ど
試験科目を眺めているることが「民事系科目が大勢を占める」ということです。2と3は公法、11が職業の法ですが残りはすべて民事系科目です。科目の重要度も、まずは民法、ついで不動産登記法、商業登記法、商法・会社法が重要になってきます。
司法書士試験に合格するにはどうすればいい?
この司法書士試験に合格するにはどうすればいいのでしょうか。
再三お話している通り、この試験はかなりの難関試験です。よって、かなり本腰を入れて勉強する必要があります。むろん、独学でのべんきょうはお勧めできません。本気で合格を狙う者がする勉強法ではないと思います。
予備校を利用するメリットとは
司法書士試験の合格を目指すには司法書士の備校を利用するのが良いでしょう。司法書士予備校を利用すれば、独学で3000~5000時間必要と言われている勉強時間を半分程度まで短縮して合格に足る実力が身に付くともいわれています。
また、通信教育も充実していますので、働きながら勉強する社会人受験生にもありがたい環境が手に入ることでしょう。
まとめ
以上、司法書士という資格とその失格試験についてお話しました。
ご覧のように司法書士という職業は法律資格の中でもかなり専門性が高い資格と言え、故に非常に難易度が高い試験をクリアしなければなりません。
もっとも、毎年合格している人がいるわけであり、そのほとんどの方が予備校を利用しているのです。本気で合格を考えている方、錆校を利用して勉強することも検討してみてはいかがでしょうか。